新中3の親、初めての受験──「知らないこと」が、子どもへのプレッシャーになる

新中3生の保護者から「うちの子が初めての受験で、親としてどうサポートすればいいかわからないんです」という相談をよく受けます。中学受験を経験していない場合、高校受験が親子にとって初めての受験。入試の仕組み、内申点、併願校の選び方、受験日程──何もわからないまま、気づいたら受験本番が迫ってくる。子どもに「ちゃんと勉強しなさい」とは言えるけれど、具体的にどう導いてあげればいいのかわからない。

この不安が生まれるのは、親自身が高校受験の「今」を知らないからです。親世代が受験した20年、30年前とは、入試制度が全く違います。私立の併願推薦という仕組み、内申点の計算方法、公立の選抜方法──自分の経験だけでは、もう通用しない。でも、学校からの説明会は年に数回だけ。ネットで調べても情報が多すぎて、何が正しいのかわからない。結局、「よくわからないけど、子どもに任せるしかない」となってしまう。

新中3の保護者が「私立の併願って、どういう仕組みなんですか?」と相談に来られたことがあります。話を聞くと、子どもから「併願校を決めないといけない」と言われたけれど、併願推薦と一般入試の違いもわからない。「とりあえず公立が第一志望だから、私立は滑り止めで受ければいいんですよね」と。これは、よくある誤解です。

私は、高校受験においては、親も一緒に受験の仕組みを学ぶ必要があると考えています。子どもに任せきりにするのは危険です。なぜなら、中3生はまだ15歳。入試制度の複雑さを完全に理解して、自分で最適な選択をするのは難しい。そこで親がサポートするべきなのに、親自身が何も知らないと、的確なアドバイスができない。それどころか、間違った情報で子どもを不安にさせてしまうこともあります。

その保護者には「併願推薦というのは、内申点の基準を満たしていれば、ほぼ確実に合格できる制度です。公立が不合格でも、併願推薦を取っておけば必ず行く学校がある。だから、併願校選びはすごく大事なんです」と説明しました。保護者は「そうなんですか。じゃあ、どの学校でも併願推薦が取れるんですか?」と。「いいえ、学校ごとに内申基準があって、それをクリアしないと併願推薦はもらえません。だから、今の内申点を確認して、どの学校なら基準を満たせるか調べる必要があります」と。

親が知っておくべきことは、いくつかあります。1つ目は、内申点の仕組み。和歌山県の公立高校入試では、中3の2学期の成績が内申点として使われます。どの科目が何点で、合計何点満点なのか。今の子どもの内申点は何点くらいなのか。これを知らないと、志望校選びができません。

2つ目は、私立と公立の併願の仕組み。私立の併願推薦は内申基準があること、一般入試との違い、受験日程の組み方。これを理解していないと、「とりあえず私立を何校か受ける」という場当たり的な選択になってしまいます。

3つ目は、志望校の選び方。偏差値だけで選ぶのではなく、通学時間、学校の雰囲気、カリキュラム、進学実績。子どもが3年間通う学校を選ぶのに、親が何も知らないまま「好きなところに行けば」と言うのは、少し無責任だと思います。

ただし、親が知識を身につけたからといって、全てを決めてしまうのは違います。最終的に決めるのは子ども自身です。親の役割は、正しい情報を提供して、一緒に考えること。「この学校は内申基準が厳しいけど、大丈夫?」「この併願校は通学時間が1時間半かかるけど、毎日通える?」と、現実的な視点で質問を投げかける。子どもが納得して選べるように、サポートする。それが親の役目です。

親が受験について学ぶ方法は、いくつかあります。学校の進路説明会には必ず参加する。わからないことは学校の先生や塾に質問する。志望校の学校説明会やオープンキャンパスに子どもと一緒に行く。そうやって、少しずつ知識を増やしていく。

初めての受験だから、わからないのは当然です。でも、「わからないから任せる」ではなく、「わからないから一緒に学ぶ」という姿勢が大事だと思います。親が一緒に悩んで、一緒に考えてくれる。それだけで、子どもは安心します。

当塾では、新中3生の保護者向けに、受験の仕組みや志望校選びについての相談も受け付けています。わからないことがあれば、いつでも聞いてください。一緒に、お子さんの受験をサポートしていきましょう。

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