「うちの子、スマホばかり見ていて勉強しないんです。1日1時間までって決めてるんですけど、全然守らなくて」──保護者からこういう相談を受けるたび、生徒本人にも話を聞くと「1時間じゃ無理。友達との連絡もあるし、調べ物もあるのに」という反論が返ってきます。親は「もっと勉強してほしい」、子どもは「これでも我慢してる」。お互いに譲れず、家の中でギクシャクしてしまう。高校受験生や大学受験生を抱えるご家庭で、よくある光景だと思います。
この対立が起きるのは、保護者世代と今の子どもたちで、スマホの位置づけが根本的に違うからだと感じています。保護者からすれば、スマホは「娯楽」や「時間の無駄」に見える。でも子どもたちにとっては、友達とのコミュニケーション手段であり、情報収集のツールでもある。だから「1時間まで」と言われると、「それじゃ生活できない」と感じてしまうんです。
中3の生徒とその保護者が一緒に相談に来られたことがあります。保護者は「受験生なんだからスマホは1日30分まで」と制限をかけているけれど、本人は守れていない。隠れて使っているのがバレて、親子で険悪な雰囲気になっているとのことでした。本人に話を聞くと「友達との連絡を無視するわけにいかないし、わからない問題を調べたりもする。気づいたら1時間超えてる」と。一方、保護者は「結局YouTubeやゲームを見てるだけでしょう」と信用できない様子でした。
私は、スマホの時間制限は「何時間か」という数字よりも、「何に使っているか」のほうが大事だと考えています。同じ1時間でも、友達との必要な連絡や勉強の調べ物に使っているなら問題ない。でも、YouTubeやSNSをダラダラ見て1時間経ってしまうなら、それは見直したほうがいい。時間の長さではなく、中身の問題です。
その親子には「時間制限をやめて、使い方のルールに変えてみませんか」と提案しました。具体的には、勉強中はスマホを別の部屋に置く、休憩時間だけ使う、寝る1時間前には触らない、といった内容です。「1日30分」と決めても守れないなら、むしろ「勉強中は触らない」というシンプルなルールのほうが現実的です。本人も「それならできそう」と納得していました。
正直、今の時代にスマホを完全に取り上げるのは無理があります。友達との連絡が途絶えれば孤立するし、調べ物ができないのも不便です。でも、勉強中にスマホが手元にあると、どうしても集中は途切れる。だから、使う時間と使わない時間をはっきり分ける。そのほうが、親子でギクシャクするより建設的だと思います。
スマホ時間で親子が対立するのは、お互いに「相手がわかってくれない」と感じているからです。親は子どもの将来を心配している。子どもは自分なりに考えて生活している。どちらも間違っていない。だからこそ、「何時間か」で押し問答するより、「どう使うか」を一緒に考えたほうが、うまくいくと思います。
当塾では、スマホとの付き合い方も含めて、受験生が無理なく勉強を続けられる環境づくりをサポートしています。親子で悩んでいるなら、一緒に考えましょう。






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