高1で「勉強習慣」をつけなかった子は、高3で伸びない──その現場的な事実

高1生の保護者から「うちの子、高校に入ってから全然勉強しなくて。でも、高3になったら受験モードになりますよね?」という質問をたまに受けます。「高3になれば本気出す」「受験が近づけば危機感が出る」──そう期待する気持ちはよくわかります。でも、正直に言うと、高1で勉強習慣がついていない生徒が、高3になって急に伸びるケースは、私が見てきた限りでは本当に少ないです。

この期待が生まれるのは、高校受験の経験があるからだと思います。中学では、中3になってから本気を出して、何とか志望校に合格できた。だから、大学受験も同じように「高3になれば何とかなる」と考えてしまう。でも、大学受験は構造が全く違います。高3から始めても、もう遅い。

高3の春に相談に来た生徒がいました。「そろそろ受験勉強始めようと思って。どこから始めればいいですか」と。志望校は地方国立大学。話を聞くと、高1・高2はほとんど勉強せず、定期テスト前だけ詰め込んで赤点を回避する生活を続けてきたと。「高3になったら本気出すって決めてたんで」と本人は言っていましたが、実際に模試を受けさせてみると、英語の長文は半分も読めない、数学は公式すら覚えていない状態でした。

私は、高1で勉強習慣をつけなかった生徒が高3で伸びない理由は、主に2つあると考えています。1つ目は、基礎が抜けているからです。大学受験は積み重ねです。高1で習う英文法は、高2・高3の長文読解の土台になる。数学Ⅰができていないと、数学Ⅱも数学Ⅲも理解できない。高1・高2で勉強習慣がなかった生徒は、この土台がスカスカです。高3になってから「よし、過去問やろう」と思っても、基礎がないから解けない。結局、高1・高2の内容からやり直すことになる。でも、その時間はありません。

2つ目は、勉強する体力がついていないからです。高1・高2で毎日1〜2時間勉強してきた生徒は、長時間机に向かう体力がついています。でも、高1・高2で全く勉強してこなかった生徒が、高3になって急に「1日10時間勉強する」なんて無理です。30分で集中力が切れる。1時間も経たずにスマホを見てしまう。勉強する体力は、短期間では身につきません。

その生徒には「まず、高1の英文法と数学Ⅰからやり直そう。共通テストまで10ヶ月あるけど、正直、かなり厳しい。でも、やるしかない」と伝えました。結局、毎日塾に来て必死で勉強しましたが、共通テストでは目標点に30点届かず、志望校を下げることになりました。本人は「高1の時、もっとちゃんとやっておけばよかった」と何度も言っていました。

逆に、高1から勉強習慣がついている生徒は、高3で確実に伸びます。毎日1時間でもいいから机に向かう。授業の予習・復習をする。定期テストだけじゃなく、模試も意識する。そういう習慣が高1からあれば、高3になったときに「基礎は固まっているから、あとは演習を積むだけ」という状態になります。スタート地点が全く違うんです。

高1の保護者の方に知っておいてほしいのは、「高3になれば本気出す」という期待は、現実的ではないということです。本気を出したくても、基礎がなければ出せない。勉強する体力がなければ続かない。高1の今、毎日少しでも勉強する習慣をつけるかどうかで、3年後の結果は大きく変わります。

ただ、親が「勉強しなさい」と毎日言っても、高校生には通用しません。むしろ反発される。大事なのは、本人が「勉強習慣をつけたほうがいい」と気づくことです。親ができるのは、その気づきのきっかけを作ることだけです。

学習塾は、その一つの選択肢になります。週2回でも塾に通えば、半強制的に勉強する時間ができる。予習・復習のやり方を教わる。わからないところをすぐ質問できる。そういう環境があれば、勉強習慣は自然とついていきます。ただし、塾に通えば全て解決するわけじゃない。塾に行かない日も、自分で少しでも勉強する。その積み重ねがあって初めて、習慣になります。

高1の今、完璧を目指す必要はありません。1日30分でもいい。英単語だけでもいい。毎日少しずつでも続ける。それができれば、2年後、3年後の自分が全然違ってきます。逆に、高1で何もしなければ、高3になって必ず後悔します。これは、脅しじゃなくて、私が何人もの生徒を見てきた現場の事実です。

当塾では、高1生が無理なく勉強習慣をつけられるようサポートしています。週1回、2回から始めて、少しずつペースを作っていく。焦らなくていい。ただ、今から少しずつ、一緒に始めていきましょう。

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