大学受験生から「過去問を何年分も解いているのに、点数が伸びないんです」という相談をよく受けます。真面目に取り組んでいるはずなのに、同じような失点を繰り返してしまう。解説を読んでも、次に似た問題が出るとまた解けない。これは解き方が間違っているのか、それとも戦略が悪いのか──そんな不安を抱えている受験生は多いです。
この悩みが生まれる原因の多くは、過去問を「解いて丸つけして終わり」にしてしまっていることだと思います。過去問演習は本番に近い形式で力試しができる貴重な機会ですが、ただ量をこなせば点数が上がるわけではありません。むしろ、やりっぱなしで次に進んでしまうと、同じ穴を何度も踏んでしまう結果になります。
先週も、高3の生徒に「志望校の過去問、もう5年分やったのに合格点に届かないんです」と焦った様子の相談を受けました。答案を見せてもらうと、英語の長文で毎回同じような箇所でつまずいていて、数学も計算ミスと論述の減点が目立つ。本人に「解き終わった後、何してる?」と聞くと、「答え合わせして、間違えたところの解説を読んでます」とのこと。
私は、過去問は「解く」よりも「解いた後」のほうが大切だと考えています。答え合わせをして解説を読むだけでは、その場で納得しても記憶には残りません。大事なのは、なぜ間違えたのかを自分の言葉で分析することです。知識が足りなかったのか、読み違えたのか、時間配分を失敗したのか。原因がわかれば、対策も見えてきます。
その生徒には「次の過去問をやる前に、今までの5年分をもう一度見直そう。間違えた問題を分類して、自分の弱点パターンを書き出してみて」と提案しました。実際にやってみると、英語は「because以下の構造を読み間違える」、数学は「場合分けの条件を見落とす」といった共通点が見えてきたんです。そこから、類題演習と見直しのチェックリストを作って取り組んだところ、次の過去問では20点ほど点数が上がりました。
過去問は、たくさん解けばいいというものではありません。1年分を丁寧に分析して、自分の課題を明確にしてから次に進む。そのほうが、5年分をただ流すよりもずっと力になります。解く前の準備も大切で、時間配分や解く順番を意識するだけでも、結果は変わってくる。
点数が伸びないと感じたら、一度立ち止まって、自分の過去問の使い方を見直してみてください。戦略が悪いのか、解き方が悪いのか──その答えは、これまで解いてきた答案の中にあります。
当塾では、過去問の答案を一緒に分析しながら、一人ひとりに合った対策を考えています。闇雲に量をこなす前に、まず今の取り組み方を見直してみませんか。






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