大学受験生から「英単語が全然覚えられないんです」という相談をよく受けます。単語帳を開いても、覚えたそばから忘れていく。1週間前に覚えたはずの単語が、もう思い出せない。このペースで間に合うのか、もっと効率的な方法があるんじゃないか──焦る気持ちはよくわかります。私も受験生の頃、同じことで悩んでいました。
英単語の暗記が進まない理由の多くは、最初に無理な目標を立ててしまうことだと思います。「1日100個覚えよう」と決めて、最初の3日は頑張るけれど、4日目にはもう続かない。そして「やっぱり自分には無理だ」と挫折してしまう。あるいは、覚えたつもりなのにテストで出てこない、何度やっても同じ単語を間違える、そのうち単語帳を開くこと自体が苦痛になってくる。そんなパターンをこれまで何度も見てきました。
先週も、高3の生徒が「単語帳、もう3周したのに覚えてる気がしないんです。やり方が間違ってますかね」と相談に来ました。どんなふうにやっているのか聞くと、1周目は1日100個ペースで進めて、2周目、3周目も同じペースで回していると。でも、覚えているかテストすると、半分も答えられない。本人は「もっと回数を増やすべきか、それとも別の単語帳に変えるべきか」と悩んでいました。
私は、英単語は「覚える」より「忘れる前提で何度も触れる」ほうが定着すると考えています。人間の脳は、1回で完璧に覚えられるようにはできていません。むしろ、忘れて、また思い出して、また忘れて……その繰り返しの中で、少しずつ記憶に残っていく。だから、1日100個を3周するより、1日20個を毎日続けて10周するほうが、結果的には残ります。
その生徒には「1日の量を20個に減らして、その代わり毎日必ずやろう。3日前の20個、1週間前の20個も一緒に復習する。完璧に覚えようとしなくていいから、とにかく毎日触れることを優先して」と提案しました。最初は「20個じゃ少なすぎませんか」と不安そうでしたが、1ヶ月続けた今、以前より明らかに単語が定着してきています。1日100個で挫折するより、1日20個を続けるほうがずっといい。
それと、単語帳を何冊も変えるのはおすすめしません。どの単語帳も、載っている単語はほとんど同じです。問題は単語帳じゃなくて、やり方のほう。同じ単語帳を何度も繰り返すほうが、「あ、またこの単語だ」という再会の感覚が生まれて、記憶に残りやすくなります。
英単語の暗記に、魔法のような効率的な方法はありません。結局は、地道に繰り返すしかない。ただ、その繰り返し方にコツはあります。1回で完璧を目指さない。毎日少しずつでいいから続ける。忘れることを恐れず、また覚え直せばいい。そう考えたほうが、気持ちも楽になるし、長続きします。
英単語の暗記で挫折しそうになったら、一度ペースを見直してみてください。量を減らしても、毎日続けられるなら、それでいいんです。
当塾では、一人ひとりに合った単語学習のペースを一緒に考えています。焦らず、自分のペースで積み上げていきましょう。






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