高1生の保護者から「高校生になったら、もう親が口出ししないほうがいいですよね」という言葉をよく聞きます。「自分のことは自分で」「高校生なんだから自立させないと」──そう考えて、入学と同時に子どもの勉強から完全に手を引く保護者は、実は少なくありません。確かに、中学までのように「宿題やった?」「勉強しなさい」と毎日声をかけるのは、高校生には通用しない。でも、だからといって完全に放置していいわけでもない。
この誤解が生まれるのは、「親の関わり=管理」だと思ってしまうからです。中学までは、親が勉強を管理していた。時間割を確認して、宿題をチェックして、テスト前は勉強時間を見守った。でも高校生になったら、そういう管理は必要ない。だから、「関わらないほうがいい」と考えてしまう。でも実は、親の役割が「管理」から「見守り」に変わっただけで、関わることそのものが不要になったわけじゃありません。
昔5月の連休明けに保護者から相談がありました。「4月は自分で頑張ってもらおうと思って、何も言わなかったんです。でも最近、小テストの点が悪くて。本人も『授業わかんない』って言い出して。今から塾とか、間に合いますか」と。話を聞くと、入学してから1ヶ月間、子どもの勉強に一切関わっていなかったとのこと。「高校生なんだから自分でやるだろう」と思っていたら、実は何もしていなかった。気づいたときには、授業に完全についていけなくなっていた。
私は、高校生活の最初の1ヶ月、つまり4月こそ、親の関わりが最も重要な時期だと考えています。理由は3つあります。1つ目は、中学と高校の勉強の違いに適応できるかどうかの分岐点だからです。授業のスピード、予習の必要性、テストの難度──全てが中学と違う。ここで適応できないと、5月以降ずっと苦労します。でも、本人はその違いに気づいていないことが多い。「まあ何とかなる」と思っているうちに、手遅れになる。
2つ目は、勉強習慣を作る時期だからです。高1の4月に「毎日少しでも勉強する」という習慣をつけられれば、それが3年間続きます。逆に、4月に何もしなければ、そのまま何もしない習慣がつく。習慣は、最初の1ヶ月で決まります。
3つ目は、本人も実は不安を抱えているからです。「高校の勉強、ついていけるかな」「友達できるかな」──そういう不安を、口には出さないけれど抱えている。そんなとき、親が完全に無関心だと、子どもは孤独を感じます。逆に、「最近どう?」と軽く聞いてもらえるだけで、安心します。
その保護者には「今からでも間に合います。ただ、今度は逆に、あまり口出ししすぎないように気をつけてください。『勉強しなさい』じゃなくて、『最近、学校どう?』って聞く程度で。本人から『わからない』って言ってきたら、そこで塾を提案してみてください」と伝えました。
4月に親ができることは、具体的には3つあります。1つ目は、週に1〜2回、軽く様子を聞くこと。「最近、授業どう?」「小テストとかある?」──深く追求する必要はない。ただ、関心を持っていることを伝える。それだけで、子どもは「困ったときに相談できる」と思えます。
2つ目は、最初の小テストの結果を確認すること。「見せて」と強要するんじゃなくて、「最初のテスト、どうだった?」と聞く。点数が悪ければ、「何が難しかった?」と。そこで本人が「英単語が覚えられない」と言ったら、「じゃあ、何か対策考える?」と。選択肢を提示するだけで、押し付けない。
3つ目は、塾という選択肢を、適切なタイミングで提示すること。入学前から「高校に入ったら塾」と決めつけるのは早い。でも、4月の様子を見て、「一人じゃ厳しそう」と感じたら、「塾、考えてみる?」と聞く。本人が「いや、自分でやれる」と言えば、それを信じる。「行きたい」と言えば、一緒に探す。
学習塾は、高校での勉強をサポートする一つの選択肢です。特に4月の段階で「授業についていけない」「勉強のやり方がわからない」と感じているなら、早めに塾を検討したほうがいい。4月に立て直せば、1学期の期末テストには間に合います。でも、5月、6月と放置すると、どんどん取り戻すのが難しくなる。
ただし、塾に通わせれば親の役割が終わるわけじゃありません。塾に通っていても、家で「最近どう?」と聞く。困っていることがないか確認する。塾と家庭、両方で子どもを支える。それが、高校生の親としての関わり方です。
「高校は親の出番が減る」──それは半分正しくて、半分間違っています。確かに、中学までのような管理は必要ない。でも、完全に放置していいわけじゃない。4月は、新しい関わり方を見つける時期です。管理するんじゃなく、見守る。でも、困ったときには手を差し伸べる。その距離感を、親子で探っていく時期です。
当塾では、新高1生が高校生活にスムーズに適応できるよう、4月からサポートしています。保護者の方からの「どう関わればいいかわからない」という相談にも応じています。一緒に、お子さんの高校生活を支えていきましょう。






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