明日から和歌山の公立高校入試、三重の後期公立高校入試が始まります。中3生から「毎日不安で、夜もちゃんと眠れないんです」という相談をよく受けます。勉強は頑張ってきた、過去問も解いた、でも「本番で失敗したらどうしよう」という不安が消えない。友達の中には「絶対受かる」と自信満々な人もいる。それに比べて、自分は不安ばかり。この不安は、自分に自信がないからなのか、準備が足りないからなのか──そんなことを考えて、余計に不安になる。
この不安が強くなるのは、実は「本気で受験に向き合っているから」だと思います。適当に受験する人は、不安になりません。「まあ、どこかには受かるでしょ」と楽観的でいられる。でも、本気で志望校に行きたいと思っている人は違う。「ここに絶対合格したい」「落ちたくない」という気持ちが強いからこそ、不安も強くなる。不安を感じることは、弱いことじゃなく、真剣に向き合っている証拠です。
先週、公立高校志望の中3生が「友達は『余裕で受かる』って言ってるのに、自分だけ毎日不安で。自分、メンタル弱いんですかね」と相談に来ました。話を聞くと、夏休みからずっと勉強して、模試の判定もB判定。過去問でも合格最低点は超えている。客観的に見れば、十分力はついている。でも本人は「本番で緊張して、いつもの力が出せなかったらどうしよう」と不安そうでした。
私は「君が不安なのは、メンタルが弱いからじゃないよ。本気でその高校に行きたいからだよ。『どこでもいい』って思ってる人は、不安にならない。君は本気だから、不安なんだよ」と伝えました。本人は少し驚いた顔をして、「不安って、悪いことじゃないんですか?」と。「悪いことじゃない。むしろ、本気で向き合ってる証拠。その不安を、無理に消そうとしなくていい」と。
不安を感じることと、実力がないことは、別の話です。不安だから合格できないわけじゃない。逆に、自信満々だから合格するわけでもない。大事なのは、不安を抱えたまま、やるべきことをやってきたかどうか。そして、その努力は本番で必ず力になります。
入試直前に不安になるのは、ある意味正常な反応です。人生で初めての大きな試験。ここで人生が変わるかもしれない。そんな場面で、不安にならない方がおかしい。むしろ、不安を感じているということは、自分の置かれている状況をちゃんと理解しているということです。
ただ、不安に飲み込まれてしまうのは良くありません。不安を感じることと、不安に支配されることは違います。「不安だけど、やることはやった」と思えれば、不安を抱えたまま本番に臨めます。逆に、「不安だから、もっと勉強しなきゃ」と焦って睡眠時間を削ったり、新しい問題集に手を出したりすると、かえって逆効果です。
不安との付き合い方で大事なのは、「消そうとしない」ことです。不安は消えません。入試前日まで、ずっとあります。それでいいんです。不安があっても、「自分はやるべきことをやった」と思えれば、本番で力は出せます。完璧な自信なんて、誰も持っていません。
それと、不安を誰かに話すことも大事です。親でも、友達でも、先生でも。「不安なんです」と口に出すだけで、少し楽になります。一人で抱え込むと、不安はどんどん大きくなる。でも、誰かに話すと、「みんな不安なんだ」と気づけます。
保護者の皆さんにも知っておいてほしいことがあります。お子さんが「不安だ」と言ったとき、「大丈夫、絶対受かるよ」と励ます必要はありません。むしろ、「不安だよね。でも、よく頑張ってきたよね」と、その不安を受け止めてあげてください。不安を否定されると、余計に辛くなります。不安を認めてもらえると、少し楽になります。
入試直前の不安は、本気で受験に向き合っている証です。その感覚を、信じていいと思います。不安なまま本番を迎える。それが普通です。完璧な精神状態で試験を受ける人なんて、ほとんどいません。みんな不安を抱えたまま、それでも試験会場に行って、問題用紙を開いて、鉛筆を動かします。
あなたが今感じている不安は、あなたが本気で頑張ってきた証拠です。その不安を否定しなくていい。消そうとしなくていい。ただ、一緒に本番に持っていく。そして、試験が始まったら、目の前の問題に集中する。それができれば、不安があっても、力は出せます。
当塾では、入試直前期の不安に寄り添いながら、一人ひとりを支えています。不安なのは当たり前。その気持ちを大切にして、最後まで一緒に走り抜けましょう。






この記事へのコメントはありません。