4月から高3になる高2生と話していると、2つのタイプに分かれることに気づきます。1つ目は「やっと受験生になれる」と前向きに捉えているタイプ。2つ目は「もう受験生になってしまう」と焦っているタイプ。同じ4月を迎えるのに、受け止め方が正反対です。この差はどこから生まれるのか。そして、焦っている人は、4月までにどう心理的な準備をすればいいのか。
「やっと来た」と思える人は、高2のうちから少しずつ準備を進めてきた人です。英単語を毎日覚える、数学の苦手単元を復習する、定期テストで目標点を取る。派手さはないけれど、そういう小さな積み重ねを続けてきた。だから、4月になっても「急に変わる」感覚がない。自然と受験生になれる。一方、「もう来た」と焦る人は、高2まで部活や学校行事に全力で、勉強はテスト前だけという生活をしてきた人が多い。「高3になったら本気出す」と思っていたのに、気づいたらもう4月。何も準備できていない。
高2の生徒が「4月から高3なのに、まだ何も準備できてないんです。周りはもう塾に通い始めてるし、過去問解いてる人もいるらしくて。このままで大丈夫でしょうか」と相談を受けたことがあります。話を聞くと、志望校はなんとなく決まっているけれど、英単語は高1の範囲もあやふや、数学も苦手単元がそのまま。「春休みに何とかしようと思ってたんですけど、結局何もできなくて」と、焦った様子でした。
私は、「やっと」と思えるか「もう」と焦るかの差は、確かに高2までの積み重ねにあると思います。でも、焦ったところで過去は変えられません。大事なのは、今の自分を責めるんじゃなくて、「4月からどうするか」を考えることです。周りと比べて焦るより、自分が今できることに集中する。そのほうがずっと建設的です。
その生徒には「周りがどうしてるかは関係ない。君は君のペースで始めればいい。春休み残り1週間で、英単語の高1範囲だけ見直そう。全部完璧にする必要はない。穴だらけでもいいから、少しだけ埋める。それだけで、4月のスタートが少し楽になるから」と伝えました。本人は「それだけでいいんですか」と拍子抜けした様子でしたが、「完璧を目指すと何も始められない。小さくてもいいから、一歩だけ前に進もう」と。
心理的準備というのは、何か大きなことをすることじゃありません。むしろ、「完璧じゃなくても、4月から受験生としてスタートする」と覚悟を決めることです。周りより遅れている、準備が足りない──それは事実かもしれない。でも、その事実を受け入れて、「じゃあ、今からやろう」と思えるかどうか。それが心理的準備です。
「もう来た」と焦っている人に伝えたいのは、4月から急に1日10時間勉強する必要はないということです。受験生になったからといって、生活が劇的に変わるわけじゃない。部活も続くし、学校行事もある。ただ、今までと少しだけ意識を変える。1日30分でもいいから勉強する時間を作る、英単語だけは毎日やる、授業を少し真面目に聞く。それだけで、受験生としての第一歩は踏み出せます。
逆に、「やっと来た」と思える人も、油断は禁物です。高2までコツコツやってきたからといって、4月から何もしなくていいわけじゃない。受験生になるということは、今までの倍、努力が必要になるということです。今までのペースを維持しながら、少しずつ時間を増やしていく。焦らず、でも確実に。
4月から受験生になることへの覚悟は、「完璧な準備」じゃなくて「不完全な自分を受け入れること」だと思います。準備が足りなくても、やり残しがあっても、それでも4月は来る。だったら、今の自分を受け入れて、そこから始める。焦っても仕方ない。できることから、少しずつ。
高2の残り期間でやっておくべきことは、大きく2つです。1つ目は、英単語と数学の基礎で抜けているところを1つでも埋めること。全部やろうとしなくていい。1つだけでいい。2つ目は、「4月から受験生になる」という事実を心の中で受け入れること。否定しない、焦りすぎない、ただ受け入れる。それができれば、4月からのスタートは思ったよりスムーズになります。
「やっと来た」と思えなくても大丈夫です。「もう来た」と焦っていても、まだ間に合います。大事なのは、4月1日にどう迎えるかじゃなくて、4月から1年間どう過ごすか。スタートが少し遅れても、走り続けることができれば、ゴールには辿り着けます。
当塾では、4月から受験生になる高2生の不安に寄り添いながら、一人ひとりに合ったペースでスタートを切るサポートをしています。焦らなくていい。一緒に、少しずつ始めていきましょう。






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