直前期、眠れない──「割り切る」より「無理に寝ようとしない」ほうがいい

受験直前期になると「夜、眠れないんです」という相談をよく受けます。布団に入っても頭の中で明日の勉強のことや本番のことが回ってしまって、気づいたら2時間経っている。焦って無理に寝ようとするけれど、余計に目が冴える。結局、朝方にやっと眠れて、昼過ぎに起きて後悔する──高3生や中3生にとって、直前期の睡眠問題は深刻です。「もう割り切って寝ないで勉強したほうがいいんじゃないか」と考える受験生もいます。

眠れないのは、不安と焦りが頭から離れないからです。「あと何日しかない」「まだあれもこれもやってない」「本番で失敗したらどうしよう」──そういう思考が止まらなくなって、体は疲れているのに脳が休めない。そして「眠らなきゃ」と思えば思うほど、プレッシャーになって余計に眠れなくなる。この悪循環に陥ると、本当に辛いです。

「ここ3日間、1日3時間くらいしか眠れてないんです。もう割り切って勉強したほうがいいですかね」と言われたことがあります。話を聞くと、布団に入っても2時間くらい眠れず、焦って起きて勉強して、明け方に少し寝る生活が続いているとのこと。「眠れないなら、その時間勉強したほうが効率的じゃないかって思って」と。確かに一理あるように聞こえますが、私はそうは思いませんでした。

私は、睡眠を「割り切る」のは危険だと考えています。確かに、布団の中で2時間悶々としているくらいなら、起きて軽い勉強をしたほうがマシかもしれない。でも、それで睡眠時間が3時間、4時間になると、本番で頭が回らなくなります。記憶力も判断力も落ちる。どんなに勉強しても、本番で力を発揮できなければ意味がない。だから、睡眠を削ることは最後の最後まで避けるべきです。

その生徒には「眠れないなら、無理に寝ようとしなくていい。でも、布団には入って目を閉じて、体だけでも休める。それだけでも違うから。完全に割り切って勉強するのは、本番の日までやめよう」と伝えました。実際、横になって目を閉じているだけでも、体は休まります。脳は完全には休めないけれど、立って勉強しているよりはずっといい。

それと、「眠れないこと」自体にあまり神経質にならないことも大事です。直前期に完璧に眠れる受験生なんて、ほとんどいません。多少眠りが浅くても、試験当日に致命的な影響が出るわけじゃない。むしろ「眠れない、どうしよう」と焦ることのほうが、余計にストレスになります。「まあ、眠れなくても何とかなるか」くらいの気持ちで構えていたほうが、結果的には楽です。

もし布団に入って30分経っても眠れないなら、一度起きてもいい。ただし、スマホは見ない。明るい光を浴びると余計に目が冴えます。部屋を薄暗くして、軽いストレッチをする、温かい飲み物を飲む、英単語をパラパラ見る程度にして、また布団に戻る。そうやって、少しでも体を休める時間を確保する。

試験当日の朝だけは、前日に早めに布団に入ることをおすすめします。眠れなくてもいいから、8時間布団にいる。そうすれば、体は休まります。本番で一番大事なのは、前日の夜の睡眠です。それまでの数日間、多少眠りが浅くても、前日だけしっかり体を休められれば、何とかなります。

直前期の睡眠不足は辛いですが、「割り切って寝ない」という選択はしないでください。眠れなくても、体だけは休める。それを意識するだけで、本番のパフォーマンスは変わってきます。

当塾では、直前期の体調管理や睡眠の悩みも含めて、受験生をサポートしています。不安なときは、いつでも相談してください。

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