「先生、中学のテストって、小学校と全然違うんですね」──毎年、初めての定期テストが近づいてくる5月下旬から6月頃、中1生からこういう言葉を聞きます。小学校の確認テストは、今日習ったことが明日出る。範囲も狭くて、授業を聞いていれば何とかなった。でも中学の定期テストは、数週間分の内容が一気に出る。しかも5科目全部。どこから手をつければいいのか、いつから準備すればいいのか、全くわからない。
この戸惑いが生まれるのは、小学校と中学では「テスト」の意味そのものが違うからです。小学校の確認テストは、その日の授業の理解度を確認するためのもの。範囲は1時間の授業分、問題も「習ったことをそのまま答える」タイプが多い。でも中学の定期テストは、2〜3ヶ月分の学習内容を問うものです。英語なら文法も単語も長文も。数学なら複数の単元が混在する。それを5科目、同じ週にまとめて受ける。小学校の感覚でいると、完全に面食らいます。
中1の生徒が「テスト、いつから勉強すればいいですか。小学校の時は前日にやってたんですけど」と相談に来たことがあります。話を聞くと、今回のテスト範囲は英語だけで単語50個、文法3単元、教科書4ページ分の本文。数学は正負の数の計算から方程式まで。社会は地理の1章分。「これ、前日に全部できますか?」と聞いたら、本人は少し考えて「……無理そうですね」と苦笑いしていました。
私は、中学初の定期テストで一番大事なのは「どれだけ点数を取るか」じゃなくて、「どうやって準備するかを学ぶこと」だと考えています。点数は結果です。でも、その点数が「何をどうやって準備した結果か」のほうが、今後の中学3年間に影響します。初めての定期テストで100点を取ることより、「2週間前から少しずつ始める」「毎日30分ずつ各科目を進める」という方法を身につけることのほうが、ずっと価値があります。
その生徒には「まず、テストの範囲表を見て、科目ごとにやることをリストアップしよう。全部を一度にやろうとしないで、1日1科目30分ずつ。英語なら今日は単語、明日は文法、というふうに分けていく。前日は全科目の見直しだけにする」と提案しました。「それでいいんですか」と拍子抜けした様子でしたが、「量が多いから焦るけど、分けてしまえばそれほど多くない。とにかく早く始めることが大事」と伝えました。
中学の定期テストが小学校と違う点は、量と質だけじゃありません。もう一つ大きな違いがあります。それは、点数が内申点に影響するということです。中学の定期テストの成績は、高校受験の内申点に直結します。中1の1学期から、すでに「受験」は始まっているんです。小学校の確認テストは「今日の理解度チェック」でしかありませんでしたが、中学の定期テストは「3年後の高校受験の基礎データ」でもある。その意識を、中1の最初から持っておくことは大事だと思います。
ただ、これを言いすぎると、子どもにプレッシャーをかけすぎてしまう。だから、今はまず「テストの準備の仕方を覚える」ことだけを意識させてほしいと思います。2週間前から少しずつ始める、範囲を科目ごとに分けて進める、わからないところをその日のうちに解決する。これができれば、中学3年間のテスト対策の土台ができます。
塾に通っている生徒には、定期テストの2週間前から「テスト対策モード」に切り替えるようにしています。通常の学習に加えて、テスト範囲の問題演習を増やす。わからないところをその場で質問できる環境を整える。一人でやっていると「どこから手をつければいいかわからない」と迷う時間が多いですが、塾でサポートがあれば、効率的に進められます。
初めての定期テストで、点数が思ったより低くても、焦る必要はありません。初めての経験なんだから、戸惑うのは当然です。大事なのは、「なぜその点数だったか」を理解して、次に活かすことです。準備が遅すぎた、暗記だけで理解が足りなかった、時間配分がうまくいかなかった──そういう反省を、次のテストに活かせれば、必ず伸びていきます。
中学の定期テストは、毎学期2回、3年間で18回あります。最初の1回で全てが決まるわけじゃない。でも、最初から「こうやって準備するんだ」という方法を身につけておくと、18回を通じて確実に力がついていきます。
当塾では、初めての定期テストに向けた準備の仕方を、一人ひとりに合わせて教えています。何をどう準備すればいいかわからないという中1生は、一緒に考えましょう。



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