結果発表まで「勉強を続けるべき」──その感覚、実は無理していないか

前期試験が終わって、結果発表までの数週間。「後期試験のために勉強を続けるべき」「気を抜いてはいけない」──そんな声が、学校の先生や親、予備校から聞こえてきます。確かに、後期試験がある以上、準備は必要かもしれない。でも、試験が終わった高3生に「さあ、次に向けて勉強を続けよう」と言われても、正直、体も頭も動かない。それなのに「勉強しなきゃ」という焦りだけが残る。

この「勉強を続けるべき」というプレッシャーが生まれるのは、「結果が出るまで何もしないのは時間の無駄」という考え方があるからだと思います。前期がダメだった場合に備えて、後期の対策を進めておく。中期試験がある大学なら、そちらの準備もする。確かに、理屈ではそうです。でも、前期試験が終わった直後の受験生に、そんな余裕があるでしょうか。

「先生に『後期に向けて勉強続けろ』って言われたんですけど、正直、もう何も手につかなくて。でも勉強しないとダメですよね」という相談。表情を見ると、明らかに疲れ切っています。「昨日の試験、どうだった?」と聞くと、「わからないです。できたのかできなかったのかも、もう考えたくなくて」と。

私は、結果発表までの期間、無理に勉強を続ける必要はないと考えています。むしろ、無理して続けるほうが危険です。前期試験が終わった時点で、受験生は心身ともに限界まで達しています。1年間、あるいはそれ以上、緊張と不安の中で走り続けてきた。その疲労は、自分で思っている以上に深い。そんな状態で「さあ、次だ」と言われても、体がついていきません。

その生徒には「無理に勉強しなくていいよ。結果発表まで、まだ2週間ある。最初の1週間は完全に休んで、残りの1週間で少し後期の準備をする。それくらいでいいと思う」と伝えました。本人は「休んでいいんですか?」と意外そうな顔をしていましたが、「今、無理して勉強しても、頭に入らないでしょ。それより、一度しっかり休んで、気持ちをリセットするほうが大事」と。

無理して勉強を続けることの弊害は、いくつかあります。1つ目は、燃え尽きてしまうこと。前期が終わった時点で、もう限界なのに、さらに走り続けようとすると、完全に気持ちが折れてしまう。後期試験が本当に必要になったとき、もう何もできない状態になる。2つ目は、集中できないこと。疲れ切った頭で参考書を開いても、内容は入ってこない。時間だけが過ぎて、「勉強した気」になるだけです。

3つ目は、結果発表を冷静に受け止められなくなること。勉強を続けていると、「前期がダメだったらどうしよう」という不安が常に頭にある。結果発表の日まで、ずっとその不安を抱えたまま過ごすことになる。それより、一度気持ちを切り替えて、「前期の結果が出てから考えよう」と割り切ったほうが、精神的に楽です。

現実的な過ごし方としては、最初の1週間は完全に休む。好きなことをする、友達と遊ぶ、ゆっくり寝る。勉強のことは一切考えない。残りの1週間で、後期試験の過去問を軽く見る、英単語を少し復習する程度。がっつり勉強するんじゃなくて、「もし後期になったときのために、感覚を忘れない程度」に維持する。それで十分です。

それと、もし前期が合格していたら、後期の準備は全て無駄になります。でも、それでいいんです。合格していたら、その勉強時間が無駄だったとしても、それは嬉しい無駄です。逆に、前期がダメで後期を受けることになったとき、1週間の準備でも、何もしないよりはマシです。完璧を目指す必要はありません。

「勉強を続けるべき」という感覚は、周りから押し付けられるものかもしれません。でも、自分の体と心の状態は、自分にしかわかりません。無理して続けて潰れるより、一度休んで立て直す。そのほうが、長い目で見れば正しい選択だと思います。

結果発表までの期間は、ある意味、受験生にとって最後の休息期間です。次のステージに進む前に、一度立ち止まって、息を整える。それは、決して怠けているわけじゃありません。次に備えるための、大切な準備です。

当塾では、試験後から結果発表までの過ごし方も含めて、受験生一人ひとりの状態に合わせたアドバイスをしています。無理をしなくていい。自分のペースで、次に備えましょう。

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