合格発表が終わって中3生と保護者から「高校、楽しみなんですけど、ちょっと不安もあって」という声をよく聞きます。合格の喜びが落ち着いてくると、今度は「高校ってどんなところだろう」という期待と不安が混ざった気持ちが湧いてくる。新しい制服、新しい友達、新しい先生、新しい勉強──全てが未知の世界。中学とは全く違う自分になれるかもしれない。でも、ちゃんとやっていけるだろうか。
この期待と不安が混ざった気持ちは、ある意味とても健全だと思います。期待だけで不安がないのは、現実が見えていない。逆に不安だけで期待がないのは、新しいスタートを前向きに捉えられていない。両方あるからこそ、準備をしようという気持ちが生まれます。
私は、合格発表後のこの時期こそ、親子で「高校での新しい自分」を具体的に想像する大事な時期だと考えています。漠然と「高校生になる」じゃなくて、「高校でどんな自分になりたいか」を話し合う。部活は何をやりたいのか。勉強はどのくらい頑張りたいのか。大学受験は意識するのか。友達関係はどう築いていきたいのか。そういう具体的なイメージを持っておくと、入学後の過ごし方が変わってきます。
その親子には「まず、高校で何をしたいか、本人の気持ちを聞いてみてください。部活を本気でやりたいのか、それとも勉強を優先したいのか。そこがはっきりすると、学習面での準備も見えてきます」と伝えました。本人は少し考えて、「部活はやりたいけど、勉強もちゃんとやりたいです。大学も行きたいので」と。
高校での「新しい自分」を想像するとき、多くの生徒が「中学とは違う自分になりたい」と言います。中学では勉強が苦手だったけど、高校では頑張りたい。中学では部活ばかりだったけど、高校では勉強も両立したい。中学では友達が少なかったけど、高校では積極的に話しかけたい──そういう前向きな気持ちが生まれるのが、この時期です。
ただ、「新しい自分」になるためには、やはり準備が必要です。中学とは違う自分になりたいと思っても、何も変えなければ結局同じパターンを繰り返してしまう。「高校では勉強頑張る」と思っていても、入学してから部活が忙しくなって、結局テスト前だけの勉強になる。そういうことは、よくあります。
親としてできることは、子どもが想像している「高校での新しい自分」を一緒に具体化することです。「勉強頑張りたい」と言うなら、「じゃあ、毎日どのくらい勉強する?」と聞く。「部活と両立したい」と言うなら、「そのために今から何か準備できることある?」と問いかける。押し付けるんじゃなくて、一緒に考える。
学習面での準備として、塾という選択肢もあります。ただし、中学までとは違う位置づけです。高校での塾は、「新しい自分」になるための一つのツールです。「高校では勉強を計画的にやりたい」と思っているなら、塾はその計画を立てる場所になる。「部活と両立したい」と思っているなら、塾は効率的に勉強する方法を学ぶ場所になる。
その親子には「今すぐ塾を決める必要はないです。入学して1ヶ月くらい過ごしてみて、『一人じゃ厳しいな』と思ったら、そのとき考えればいい。ただ、もし今から準備したいなら、中学の英語と数学の復習だけはやっておくといいですよ」と伝えました。本人は「じゃあ、入学までの間に少しやってみます」と。
「高校での新しい自分」を想像することは、とても大事です。でも、想像するだけで終わってしまうと、入学後に「思ってたのと違う」となる。大事なのは、想像した自分に近づくために、今から少しずつ準備を始めることです。大きなことじゃなくていい。中学の復習を少しやる、早寝早起きの習慣をつける、毎日少しでも勉強する時間を作る。そういう小さな準備が、「新しい自分」への第一歩になります。
保護者の役割は、子どもが想像する「新しい自分」を否定しないことです。「高校で勉強頑張る」と言っても、「どうせ続かないでしょ」と言わない。「部活と両立する」と言っても、「無理じゃない?」と言わない。まずは、その気持ちを受け止める。その上で、「じゃあ、どうすればそうなれるか、一緒に考えよう」と前向きに話す。
合格発表後のこの時期は、親子で同じ方向を向いて話せる、貴重な時間です。受験が終わって緊張が解けて、でもまだ入学前で時間に余裕がある。だからこそ、落ち着いて「高校でどうなりたいか」を話し合える。この時間を大切にしてほしいと思います。
当塾では、合格した中3生が「高校での新しい自分」に向けて準備できるよう、入学前の学習サポートをしています。中学の復習、高校の予習、勉強習慣づくり──一人ひとりの目標に合わせて、一緒に準備していきます。高校生活への期待を、現実にしていきましょう。






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