私立合格で安心している子ども──親として、どう声をかけるべきか

私立入試が終わって合格通知が届くと、受験生の表情が一気に明るくなります。「とりあえず行く学校は決まった」という安心感が生まれる。それは悪いことじゃない。でも、第一志望が公立や国公立の場合、保護者としては複雑な気持ちになります。「合格おめでとう」と言いながらも、「まだ本命があるのに、このまま気が緩んでしまわないだろうか」という不安が頭をよぎる。どう声をかければいいのか、迷ってしまう保護者の方は多いです。

この悩みが生まれるのは、親が「私立合格=ゴール」じゃないと思っているのに、子どもは「とりあえず受かった」という安堵で少し気が抜けてしまうからです。今まで緊張感を持って勉強してきたのに、合格が決まった途端、勉強時間が減る。スマホを見る時間が増える。「まだ本命があるでしょ」と言いたいけれど、せっかく頑張って合格したのに水を差すようで言いづらい。

先週、高校受験生の保護者から「うちの子、私立に受かってから勉強しなくなったんです。第一志望は公立なのに、『もう行く学校決まったし』って。どう声をかけたらいいでしょうか」と相談がありました。話を聞くと、私立合格の翌日から自習室に来る回数が減り、家でもあまり机に向かっていない様子。保護者が「公立まであと1ヶ月あるんだから」と言っても、「わかってるって」と軽く返されるだけだと。

私は、私立合格で少し気が緩むのは自然なことだと考えています。今まで「どこにも受からなかったらどうしよう」という不安を抱えて勉強してきたわけですから、合格が決まればホッとするのは当たり前です。その安心感を否定する必要はない。むしろ「よく頑張ったね」と認めてあげることのほうが大事だと思います。

ただ、それと「公立に向けて勉強を続ける」ことは、両立できます。保護者がすべきなのは、私立合格を一緒に喜びながら、「で、公立はどうする?」と冷静に確認することです。説教や叱咤じゃなくて、ただ確認する。「私立でもいいって思ってる? それとも、やっぱり公立に行きたい?」と。そこで本人が「公立に行きたい」と言うなら、「じゃあ、あと1ヶ月どう過ごす?」と一緒に考えればいい。

その保護者には「まず、私立合格をちゃんと喜んであげてください。その上で、『公立はどうしたい?』って聞いてみてください。本人が『やっぱり公立に行きたい』って言ったら、そこから一緒に計画を立てればいいと思います。無理に追い込まなくても、本人が納得すれば動き出します」と伝えました。

親として気をつけたいのは、「私立に受かったんだから、公立も絶対に合格しなさい」というプレッシャーをかけることです。それを言われると、子どもは「私立に受かったのに、まだ満足してもらえないのか」と感じてしまう。結果的に、公立受験へのモチベーションがさらに下がることもあります。

逆に、何も言わずに様子を見ているだけでは、本人も「このままでいいのかな」とモヤモヤしたまま時間が過ぎてしまう。だから、一度ちゃんと話す機会を作る。「公立、どうしたい?」と。そこで本人の気持ちを確認して、一緒に残りの期間をどう過ごすか考える。それが一番建設的だと思います。

私立合格は、受験のゴールではなく通過点です。でも、通過点だからこそ、一度立ち止まって「ここから先、どうする?」と確認する時間も必要です。親の役割は、焦らせることでも追い込むことでもなく、子どもが自分で考えて決められるように、そっと背中を押すことだと思います。

当塾では、私立合格後のモチベーション管理も含めて、受験生一人ひとりに寄り添ったサポートをしています。迷ったときは、一緒に考えましょう。

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